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養育費のよくあるご質問
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養育費請求の調停はどこの裁判所に申し立てるのですか。

A.養育費の調停は、相手方の住所地の家庭裁判所または当事者どうしで合意した家庭裁判所があればその家庭裁判所に申し立てることになっています。
なお、調停ではなく審判を申し立てる場合には、子供の住所地の家庭裁判所または当事者が合意した家庭裁判所に申し立てることになっています。したがって、調停と審判とで管轄が異なる場合があります。ただし、審判を申し立てても付調停という手続きで結局調停の管轄裁判所に移送される可能性があります。

 

 

弁護士 尾中翔
弁護法人中部法律事務所春日井事務所所属

解説

1.家庭裁判所

裁判所には最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所の5種類がありますが、養育費など家庭の問題を扱うのは家庭裁判所です。

家庭裁判所は全国50か所に設置されているほか、多数の支部や出張所があります。

 

2.裁判所の土地管轄

同じ種類の裁判所があちこちにいくつもある中で、どこの裁判所を申立先として選べばいいのか、という問題を土地管轄といい、法律でルールが定められています。そのルールは訴訟、調停、審判などの手続きの種類によって異なります。

管轄はその裁判所がその事件について裁判権を行使できるかどうかというルールでもあります。管轄のない裁判所に申立てを行うと、原則として管轄のある裁判所に移送れることになります。

 

3.養育費請求調停事件の管轄

養育費の調停は家事調停という手続きになります。家事調停の管轄は、家事事件手続法245条1項により、次のいずれかの家庭裁判所の管轄に属するとされています。

              ①相手方の住所地を管轄する家庭裁判所

              ②当事者が合意で定める家庭裁判所

この①の「住所地」とは、必ずしも住民票上の住所とは限らず、実際に生活の本拠としている場所のことです。たとえば住民票上はまだ自分と同居していることになっているが、実際は実家で暮らしている相手方の場合、その実家のある場所の家庭裁判所に管轄があります。

また、②は口約束の合意があるというだけでは足りず、管轄合意書という書面を提出する必要があります。通常はこのような合意をしていないことが多いので、①しか選べないことになります。相手方が遠方に居住している場合、遠方の家庭裁判所で手続を進めることになり、かなり負担になることもあります。

 

4.審判の管轄のほうが有利か

調停が話し合いで合意を目指す手続きなのに対して、審判は合意ができない場合に裁判所に判断してもらう手続きです。調停を行って不成立になれば自動的に審判が始まります。しかし、養育費を請求したいときに必ず調停から始めなければならないわけではなく、最初から審判を申し立てることもできます。

家事審判のうち、養育費などの子の監護に関する処分の審判については、次のいずれかの家庭裁判所の管轄に属するとされています(同法150条4号、66条)。

              ①子の住所地を管轄する家庭裁判所

              ②当事者が合意で定める家庭裁判所

このように調停とは異なる定めとなっているため、調停を申し立てるか審判を申し立てるかで、申立先の家庭裁判所が異なるケースも生じます。養育費の請求は子供と同居している方から申し立てるのが普通ですので、子の住所地の裁判所になったほうが一般的に有利ですが、次の問題があります。

 

5.付調停の制度により結局移送される可能性

審判は裁判所の裁量により、職権で調停に付すことができ(同法274条1項)、この制度はかなり活用されています。家庭の問題はなるべく両当事者納得のうえで決めるのが理想だという理念があるため、一度も調停をやってみないで申し立てられた審判については、付調停とされる可能性が相当高いです。

そして養育費のように調停と審判で管轄が異なりうる事件の場合、付調停にする際に本来の調停の管轄裁判所に移送するかどうかについては、決まったルールがありません。制度上は、移送してもよいし、そのまま同じ裁判所で処理(自庁処理といいます)してもよいことになっていて(同条3項)、その都度裁判所が判断して決めます。

              調停申立て→相手の住所地の裁判所

              審判申立て→子供の住所地の裁判所→付調停→移送→相手の住所地の裁判所

                                  →自庁処理→子供の住所地の裁判所

上申書で事情を説明して有利な判断を働きかけることはできますが、結果は保障できません。どちらになるかわからない以上、管轄で有利となることをねらってあえて審判を申し立てるという戦略には無理があるといえます。

 

6.遠方なら電話会議が認められる可能性も

遠方の裁判所で調停を行う場合、指定された期日に何度も出頭するのは大きな負担になることもあります。これを救済するため、電話会議システムを利用した手続の制度があります(同法258条、54条)。

ただ、個人が自宅からこの制度で参加するという運用は行われておらず、代理人弁護士の事務所から参加するという使い方がほとんどです。また、遠方かどうかの判断基準もけっこう厳しく、隣県程度では認められにくいと言われています。

 

 

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