A: 養育費の調停期日に相手が欠席し、成立の見込みがない場合には不成立となります。調停が不成立となると、審判に移行します。
解説
1.調停期日の指定と呼出し
養育費の調停を申し立てて受理されると、期日が指定され(家事事件手続法34条)、当事者双方が呼び出されます(同法51条1項、258条1項)。
指定される期日は申立人及び裁判所の都合に合わせたものです。通常は相手方の都合は考慮されません。
2.調停期日への欠席
事件関係人(申立人や相手方)が期日に出席することは義務であり、違反すると5万円以下の過料という制裁が定められています(同法51条2項、3項、258条1項)。しかし過料が実際に科される例はほとんどありません。
期日指定が相手方の都合を考慮しないで行われているということもあり、特に第1回目は相手方欠席となることも珍しくありません。
3.欠席から不成立までの流れ
相手方が欠席しても、次の期日には出席する見込みがある場合、調停期日は続行されます。
一方、相手方と連絡が取れず、2回程度欠席が続いた場合、不成立とする例が多いです。また、相手方が明らかに調停に応じる意思がない場合には、調停委員会も成立の見込みがないと判断し、第1回でも不成立となることがあります(同法272条1項)。
4.調停不成立後の審判移行
養育費の調停は、不成立となると自動的に審判に移行します(同法272条4項)。
調停と審判は別個の手続きなので、事件番号は変わります。また、裁判官も変わることがあります。管轄の家庭裁判所自体が変わる場合もあります。ただし、本来の管轄が異なっていた場合でも、調停を担当した家庭裁判所がそのまま自庁処理により続けて審判も担当することが多いです。
調停の段階で提出していた証拠は、改めて審判手続きの中で「事実の調査」をされることで、審判の証拠としても利用されます。
5.審判にも欠席した場合
養育費の審判期日にも相手方が欠席した場合、通常は、申立人側の証拠に基づいて相手方の収入額が認定され、算定表に従って養育費の請求が認められることになります。