A: 名古屋家庭裁判所の場合、必要書類は以下のとおりです。
・申立書
・申立書のコピー
・連絡先等の届出書
・非開示希望申出書(必要な場合)
・進行連絡メモ
・未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
・家計状況説明書
・申立人の収入関係資料(源泉徴収票、給料明細、確定申告書、所得証明書等の写し)
また、費用も次の形で納める必要があります。
・収入印紙(子供1人につき1200円分)
・予納郵券(郵便切手1164円分)
解説
1.法令で定められた必要書類
(1)申立書とその写し
養育費に限らず、家事調停の申立てには必ず申立書が必要です(家事事件手続法255条1項)。
この申立書は裁判所から相手方に写しを送付することになっているので(同法256条1項)、あらかじめ申立人がコピーも用意して提出します。
(2)証拠書類
申立ての理由及び事件の実情についての証拠書類があれば、申立書に添付する必要があります(家事事件手続規則37条2項、127条)。
養育費の場合、証拠書類として重要なのは収入関係資料です。自分の収入関係資料はすぐに用意できるものですから、基本的には申立ての際に提出すべきです。
また、子供の年齢と、養育費の大前提である親の扶養義務を明らかにする証拠として、子供の戸籍謄本も必要になります。
(3)手続きの円滑な進行のために必要な資料
以上のほか、各裁判所の判断で調停手続きの円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができます(同規則37条3項、127条)。裁判所により書式が異なる場合や、提出を求められない場合があります。
名古屋家庭裁判所の場合は次のものが求められています。
・連絡先等の届出書
離婚して別々の暮らしをしている元夫婦の関係にはいろいろ配慮すべき点も多く、実際の住所を申立書に記載できない事情がある方もいらっしゃいます。この「連絡先等の届出書」は、申立書に記載した住所、裁判所からの書類を送付してもらいたい住所、調停調書に記載してもらいたい住所などに関する申立人の事情と要望を把握するための書類です。
・非開示希望申出書
「連絡先等の届出書」に記載する内容の中には、相手方が知らせることが不適当なものが含まれている場合があります。その場合には、理由を記載して「非開示希望申出書」を作成し、「連絡先等の届出書」の上に重ねてホチキス止めして提出します。その他、相手方による閲覧の可能性がある書類についてはすべて同様で、その都度「非開示希望申出書」を付ける必要があります。
もっとも、事件記録の閲覧謄写は裁判所が「相当」と認めた場合に許可されることとなっており(家事事件手続法254条3項)、「非開示希望申出書」が提出されていることは考慮されるものの、絶対に許可できなくなるわけではないため、例外的に閲覧されてしまう可能性もあることに注意が必要です。
・進行連絡メモ
期日を決めるにあたっての申立人側の都合、相手方の出席の見込み、暴力のおそれ、その他配慮が必要なことなどについて、裁判所に伝えておくためのメモです。事件記録の一部とせず、閲覧を認めない扱いとされています。
・家計状況説明書
収入関係資料と合わせて、養育費算定の根拠となる収入状況を説明するための書類です。教育費や医療費など、算定表の枠内では足りない事情がある場合にも、この書類に記載します。
2.法令で定められた費用
・手数料分の収入印紙
家事調停の申立て手数料は、1件あたり1200円です(民事訴訟費用法3条1項、別表第一15の2)。納付の方法は収入印紙と定められており(同法8条)、申立書に貼付欄があります。
・予納郵券
手数料以外の費用も基本的に申立人に納付義務があり(同法11条)、郵便料金については郵便切手で予納させる運用となっています(同法13条)。その金額は手続きの種類により、また裁判所により異なりますので、窓口やWEBサイトで確認する必要があります。