養育費は何歳までという決まりはありませんが、子どもが成熟するまでと考えられています。大学に進学するかなどにもよりますが、一般的には子どもが成熟したとされる18歳から22歳の間で取り決めます。
1.養育費は「未成熟子」の監護に要する費用
民法766条1項により、夫婦が離婚する際には「子の監護に要する費用」についても協議して定めなければならないとされています。この「子の監護に要する費用」を分担し、非監護親から監護親に対して支払うもののことを養育費といいます。
そして、養育費の対象となる「子」とは、未成熟子であると解されています。未成熟子というのは、まだ経済的に自立していない子ということであり、未成年とは異なる概念です。
未成年であっても、就職して自分の収入で生活できる状態になっていれば未成熟子ではありません。逆に成年に達していても、親の収入に頼らなければ生活できない状態であれば未成熟子の可能性があります。ただし、働かなければいつまでも未成熟子というわけではありません。働く能力があり、家庭環境的にも働くことが期待される場合には未成熟子とはいえません。
また、未成熟子と未成年とは異なる概念であるため、令和2年民法改正による成年年齢引き下げによって当然に影響を受けるわけではありません。改正前に行った取り決め方によって生じる問題については、下記記事をご参照ください。
よくあるご質問「成人年齢引き下げで、養育費は18歳までになるのですか。」
2.18歳~22歳の間で定める例が多い
以上のとおり、養育費の支払義務は子どもが未成熟子である間続くものであり、その具体的年齢は子どもの進学や就職などの事情によって異なります。
裁判例では個別の事情を踏まえて判断されますが、多くのケースで20歳になるまでとしています。もっとも、大学進学を考慮し、22歳になった後の3月までとするケースも増えているとされます。