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相手方が自営業者の場合はどのように年収を計算すればいいですか。

A. 自営業者の方の年収は、基本的に確定申告書の「課税される所得金額」の欄に記入された金額から把握します。ただし、諸々の控除のうち、実際に支出されていないものや養育費の考え方にそぐわないものについては控除がなかったものとして計算します。つまり、控除されている金額をもう一度足し直します。

 

弁護士 佐藤陶子
弁護法人中部法律事務所春日井事務所所属

 

解説

1.総収入の把握

養育費は義務者の権利者がそれぞれの収入額に応じて子供の生活費を分担することを基本としています。そこで、養育費を請求する際には、双方の収入額を認定することが出発点となります。

実務上採用されている算定方式(標準的算定方式)では、まず総収入を認定し、それに一定割合を掛けて生活費に回せる部分=基礎収入を算出しています。

さらにこの算定結果を簡便に見ることのできる算定表では、双方の総収入が縦横に交わる点を見れば妥当な養育費の額がわかるようになっています。

 

2.給与所得者の場合と自営業者の場合の違い

総収入の把握方法は、給与所得者自営業者とでは異なります。給与所得者の場合は源泉徴収票の支払金額が総収入となり、自営業者は基本的に確定申告書の課税所得が総収入となります。

この違いは、上述の基礎収入の考え方から来ています。

基礎収入は収入のうち生活費に回せる部分を意味していますが、それは収入から①公租公課、②職業費、③特別経費を差し引いたものだと考えられています。

自営業者の場合、課税所得は①の一部である社会保険料と②がすでに差し引かれた金額だととらえられるので、そこから①の残りである所得税・住民税と③をさらに差し引いたものが基礎収入だという考え方をします。

 

給与所得者

源泉徴収票の支払金額=総収入

①公租公課

②職業費

③特別経費

基礎収入

自営業者

収入金額

②経費

所得金額

①社会保険料+各種控除

課税される所得金額=総収入

①所得税住民税

③特別経費

基礎収入

このように、総収入としてとらえる数字の質が異なるために、同じ基礎収入に対応する総収入の額が、給与所得者と自営業者とでは異なってきます。

算定表を見ると給与所得者と自営業者の収入額が異なる数字で並べて書かれており、自営業者の方が低い数字になっていますが、これがその理由です。

 

3.自営業者の総収入の実際の認定方法

以上は給与所得者との違いをわかりやすく示すための説明ですが、実際には自営業者の課税所得をそのまま総収入とするのは不適切であり、もう一段階の処理を必要とします。

確定申告書の「課税される所得金額」は、「所得金額」から各種所得控除を差し引いた後の金額です。これらの控除は税法上の政策的な考慮に基づくものです。たとえば寡婦控除であれば、寡婦(ひとり親)を一般より優遇して所得の一部を課税しないこととすることによりその生活を支援する、などの意味を持ちます。

養育費は、親の責任として自分の収入をギリギリまで子供と分け合うべきだという「生活保持義務」の理念に基づいています。その理念に照らすと、税法上優遇される理由があるからといって、その分を子供と分け合わなくてよいとするのはおかしいのです。実際に支出をしている社会保険料控除以外の所得控除は、養育費を計算する上では考慮するべきでないと考えられます。

そこで、「課税される所得金額」に社会保険料控除以外の所得控除分を足すことで、控除前の数字に戻します。

さらに、「所得金額」は収入から経費を差し引いたものですが、その際にも青色申告控除という政策的な控除があり、これも養育費より優先すべきとはいえないため、足して戻します。

同様に、実際に支出していない専従者給与があれば、これも戻します。これらも総収入として扱われることになります。

 

 

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