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養育費のよくあるご質問
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未婚のシングルマザーです。子供の父親が認知を拒否していますが、認知なしでも養育費をもらえる方法はありますか。

A.認知がないと、法律上の親子関係が発生していないので、相手には養育費の支払義務がなく、請求できません。しかし、合意により任意に支払ってもらうことには問題ありません。
合意ができなければ、認知を求めるしかないでしょう。認知を拒否する相手には、強制認知という方法もあります。
弁護士 尾中翔
弁護法人中部法律事務所春日井事務所所属

解説

1.認知は親子関係発生の条件

結婚している男女から生まれた子(嫡出子)は自動的に両親と親子関係が発生しますが、結婚していない関係の男女から生まれた子(非嫡出子)は母親との親子関係しか発生しません。これは生物学的な親子関係とは切り離した、法律上の親子関係という概念であり、この法律上の親子関係に基づいて養育費や相続などの権利義務が発生します。

 

(1)任意認知と強制認知

非嫡出子と父親との間に法律上の親子関係を発生させるには、認知が必要です。

認知とは、男性が自分の子供だと認めることです。任意認知は結婚や離婚と同じように役所に届け出る方式で行い、受理されると戸籍に記載されます。そして、子供の出生にさかのぼって親子関係があったことになります。

相手が認知を拒否している場合、強制認知という方法があります。家庭裁判所に認知の訴えを提起し、強制的に認知させるものです。調停前置主義なので訴えの提起後はまず調停となります。調停で合意ができれば審判により認知が成立します。

合意できなければ訴訟へ移行し、親子関係を立証することになります。DNA鑑定が確実ですが、相手の検体採取を強要できないので、実行できない可能性もあります。しかし、他の事情からその男性が父親である可能性が非常に高いことを証明できれば、DNA鑑定なしでも認知を認める判決が出ることがあります。

 

(2)認知されれば過去の養育費を遡ってもらえる可能性も

過去、1人で子育てをしていた期間があるとして、その期間分の養育費をもらえるかという問題がありますが、通常のケースではそのような過去の養育費については基本的に認められません。具体的に養育費の調停を起こすなどの請求行動をした時点からの分だけとするのが一般的です。

 

過去の養育費についてはよくあるご質問:「過去の養育費を支払ってもらうことはできますか」もご参照ください。

 

しかし、認知により親子関係が発生し、その直後に過去の養育費を請求したケースについては、過去の養育費を認めた判例があります。

参考:平成16年5月19日大阪高等裁判所決定

「原審判は、抗告人が養育費の支払を求めた平成14年6月を分担の始期としているが、未成年者の認知審判確定前に、抗告人が相手方に未成年者の養育費の支払を求める法律上の根拠はなかったのであるから、上記請求時をもって分担の始期とすることに合理的な根拠があるとは考えられない。本件のように、幼児について認知審判が確定し、その確定の直後にその養育費分担調停の申立てがされた場合には、民法784条の認知の遡及効の規定に従い、認知された幼児の出生時に遡って分担額を定めるのが相当である。」

通常のケースと異なり、認知前には請求したくてもできなかったのだから、請求時からの分しか認めないのはおかしい、という判断です。認知の直後に養育費請求することがポイントだといえます。この事例では、将来の月々の養育費の金額を決めて支払を命じるとともに、生まれてから本決定時点までの2年半分の養育費の合計として130万円の一括支払いを命じています。ただし、この金額は当事者の収入を調べて算定表を使って出したものですから、相場というわけではありません。個々のケースで変わってきます。

 

養育費の計算のしかたについて詳しくはよくあるご質問:「養育費の計算方法を教えてください」をご参照ください。

養育費の算定表について詳しくは弁護士コラム:「養育費算定表とは?」をご参照ください。

 

2.認知無しでも養育費をもらうには

法的な権利がない以上、なかなか難しいとは思いますが、交渉材料として考えられるのは次のような点です。

・法的な義務はなくても道義的な責任はある

・強制認知という手段をとればどうせ支払わなければいけなくなる

「払ってくれれば認知は求めない」という交換条件を出すやり方は、実際にはまま見られることかもしれませんが、法的には問題があります。認知請求権は放棄できないとされているためです。したがって、このような合意をしても「認知を求めない」の部分は無効であり、たとえば子供が成長して認知を望めば、父親が亡くなっていない限り認知請求できることになります。

養育費を支払うという合意が成立したならば、公正証書にしておくことをお勧めします。将来、相手が養育費を払わない場合にも給与の差押えなどの強制執行が可能になるからです。

 

公正証書について詳しくは、よくあるご質問:「養育費の取り決めを公正証書にするメリットはなんですか」をご参照ください。

 

 

  • 養育費を請求されたい方、公正証書を作成されたい方、調停を申し立てたい方は、名古屋の弁護士法人中部法律事務所の養育費の請求・調停のサービスをご覧ください。

 

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